腸腰筋出血  

1. 腸腰筋は、腰椎と大腿骨を結ぶ筋群で、股関節を屈曲させたり、脊椎を前屈させる働きをします。
2. 症状は、腹痛(右の腸腰筋出血では、急性虫垂炎と間違えられます。)や腰痛、股関節痛、股関節・大腿部伸展時痛などです。
3. 出血性ショックに成れば、血圧低下、貧血が発生します。X線CT検査により、腸腰筋内の高濃度吸収域(出血)や低濃度吸収域(血腫)が認められ、容易に診断されます。
4. 原因のほとんどが外傷性ですが、血友病患者(凝固因子不足)・慢性腎不全で人工透析中患者(血小板機能低下、へパリン使用)・肝硬変や肝不全患者(凝固因子減少、血小板数減少)・急性心筋梗塞の冠動脈インターベンション(PCI)治療後に抗血小板療法や抗凝固療法を持続中の患者では、出血性素因(出血傾向を)有することから、脳出血や消化管出血とともに、腸腰筋内小動脈破綻による深部出血(筋肉内出血)に対して、厳重な注意が必要です。
5. 治療は、再出血防止の為にベッド上安静、凝固因子の補充、抗血小板療法や抗凝固療法の即時中止です。(保存的治療)