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冬です。呼吸器疾患に気を付けましょう!
冬は風邪を筆頭に呼吸器感染症の季節です。寒さによる体力の低下、空気の乾燥による粘膜のダメージ、師走の多忙に年末年始の宴会シーズンと、病気にかかりやすい不摂生も重なりがちです。
●かぜ(風邪症候群)
のどや鼻周りの感染症を総じて一般に「かぜ(風邪)」と呼びます。くしゃみ、鼻水、鼻閉、咽頭痛、咳嗽、喀痰、発熱、頭痛、腰痛、全身倦怠感などの症状があり、概ねウイルスが病原体です。
しかし風邪を契機に発症したり、あるいは発見される他疾患もきわめて多く存在し、また糖尿病や心疾患、悪性腫瘍などの基礎疾患をもつ方では急性増悪が起こったり、風邪の重症化も珍しくありません。
治療としては対症療法が中心で、先ず保温、保湿、安静が基本となります。薬は市販のもの、医療機関で処方されるもの共、基本に大差はありませんが、医療機関でのみ処方されるものとして抗生物質と、インフルエンザの時の抗ウイルス剤があります。医療機関から処方される薬は、その殆どが一剤一効能である為、粒や粉、カプセルといった何点かの組み合わせになりますが、市販のものは予め西洋、東洋を問わず解熱剤を含めた何種類かが混ぜられている為、見掛け上は一種類でも概ね十種類以上が入っています。医師が処方する場合は診察時の症状に合わせたオーダーメード、市販薬は最大公約数を狙ったものと考えて頂けると分かり易いかもしれません。安易な使用は避けましょう。
尚、名前だけはよく知られている抗生物質という薬は、多種の病原体の内の細菌類にしか有効ではなく、また種類によっては効かない菌もあります。従って風邪に対しての抗生物質の必然性については疑問視する向きも有りますが、高齢者や小児など抵抗力の弱い場合、二次感染の予防として投薬される場合も有ります。いずれにしても、風邪に特効薬は有りません。
●インフルエンザ
インフルエンザウイルスという型の変異を起こし易い菌による感染症で、非常に伝染性が高く、群を抜いて重症感が強いものです。現在の日本でも年に数百万人以上が罹患し、数千から一万人以上が死亡しています。かつて「スペイン風邪」と呼ばれた世界的大流行四年間での死者は、米国独立戦争と二度の世界大戦に朝鮮・ベトナム戦争での戦死者を加えた人数よりも多いという、社会にも大きな影響を与える重篤な疾患です。
ウイルスの増殖には気温が20度以上の環境が良いのですが、大気の乾燥によって人間の気道粘膜のダメージが増える冬場に流行します。そのため、うがいや加湿が有効です。感染者がせきをし、その飛沫中の菌が鼻や口、目から侵入して上・下気道で増殖し、1〜2日の潜伏期を経て悪寒・発熱・頭痛・腰痛・倦怠感などが現れます。抵抗力の弱い小児や高齢者では、二次感染としての肺炎や脳症を引き起こし重篤な状態になる場合がありますので、毎年出される流行予測の型に基づいた予防接種による防御が、自分のみならず社会にも役立つ事となります。SARSも高熱が出て区別しにくいので予防接種を受けておくべきでしょう。
インフルエンザに罹患してしまった場合、39〜40℃の熱が約四日以上続くのですが、解熱剤の種類によっては強烈な副作用を生じますので使用はなるべく控えましょう。ウイルスに抗生物質は無効なのですが、幾つかの抗ウイルス薬が有り、発症から2日以内ならばよく効きます。いたずらに我慢して受診が遅れると折角の特効薬も無力となりますので、早めの受診が望ましいでしょう。
●SARS
昨冬突然出現し、地球の幾つかの地域で大流行がみられ、渡航禁止や隔離等の措置がとられた事は記憶に新しいと思います。その後日本では伝染病予防法第一類に追加され、国際的な検疫体制の強化が行われていますが、この冬に再流行する可能性も指摘されています。しかし病原体がコロナウイルスであることは判明していますが、検査キットはまだできていません。 診断についても「(1)流行地域から帰国後、10日以内に(2)38・5℃以上の急な発熱(3)咳または呼吸困難感等の呼吸器症状を呈している場合」と定義されていますが、逆にそれ以上の明確な特徴は無いとも言えます。また、現在のところ有効な治療手段も確立していないのが実態です。もし疑わしい兆候がある場合、福祉保健センター(旧保健所)や地方自治体等で専門の体制を取れる医療機関を紹介していますので、電話で相談し指示に従う様にして下さい。
●その他
よく使われる抗生物質が無効なマイコプラズマに因る異型肺炎や、家庭用24時間風呂等で発生し易いレジオネラ感染症など、その他の少し変わった呼吸器感染症も存在します。咳が長引くなど、単なる風邪ではなく変だと感じたら、早めに医療機関を受診するようにして下さい。
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