みんなの健康法

虚血性大腸炎について

1.

虚血性大腸炎はどんな病気でしょうか?

①大腸への血液の循環が悪くなり、必要な酸素や栄養分が供給されなくなるために、大腸粘膜が虚血となり炎症や潰瘍を生じる疾患です。

②症状として突然の腹痛、下血がみられます。

③もともと血管に動脈硬化があるところに便秘などが誘因となって発症するといわれています。高齢者に多いのですが、便秘のひどい若い女性にもみられます。

2.

原因

①大腸に栄養を送る血管の血流が不足すると、腸管が虚血となり、粘膜の浮腫、出血、潰瘍などが出現します。

②血流が減少する原因は、もともと血管に動脈硬化性の変化があるところに、便秘による腸管内圧の上昇などが加わるためと考えられています。

③高齢者や、糖尿病・膠原病・血管炎などの基礎疾患が有る方に多くみられます。

④大腸は主に上腸間膜動脈と下腸間膜動脈から血液を受けていますが、大腸脾弯曲部から下行結腸は、上腸間膜動脈と下腸間膜動脈の支配領域の境界部分であるため虚血に弱く、構造的に虚血性大腸炎が生じやすくなっています。

⑤腸間膜動脈が完全に閉塞し血流が途絶えた場合を腸間膜動脈閉塞症といい、虚血性大腸炎よりもさらに重い病態です。

3.

症状

①突然の激しい腹痛、下血、下痢で発症します。

②典型的には左下腹部の腹痛で、新鮮血の下血がみられます。

③悪心、嘔吐、発熱が認められることもあります。

④直前に便秘をしていることが多いようです。

4.

検査と診断

①大腸内視鏡検査を行います。

②多くの場合S状結腸や下行結腸に発赤、出血、浮腫、縦走(じゅうそう)潰瘍(消化管の縦方向に沿ってできる細長い潰瘍)などがみられます。

③注腸造影検査でも母指圧痕像(ぼしあっこんぞう)といわれる粘膜の浮腫による変化や縦走潰瘍が認められます。

④薬剤性腸炎、感染性腸炎クローン病などと鑑別診断します。

⑤血液検査では白血球増加や急性炎症反応(CRP)上昇がみられますが、虚血性大腸炎に特有ではありません。

5.

治療

①安静にし、絶食、輸液、二次感染防止のための抗生剤投与などを行います。

②腹痛に対しては対症療法として鎮痙(ちんけい)薬や鎮痛薬を投与します。

③症状が改善したら食事を開始します。

④虚血性大腸炎は、重症度から一過性型、狭窄型、壊死型に分類されます。

⑤約半数は一過性型で、短期間のうちに軽快し後遺症も残りません。

⑥狭窄型は急性期を過ぎたあと大腸に狭窄が残るものをいい、腹痛や下痢が続くことがあります。

⑦狭窄が高度の場合には手術が必要になることもあります。

⑧壊死型はまれですが重症で、激しい腹痛から症状が急速に悪化します。

敗血症やショック状態を合併して死に至る場合もあり、壊死した大腸の外科的切除が必要です。


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