体細胞クローン牛の安全宣言

 4月11日、厚生省研究班が体細胞クローン牛は安全であると発表しました  体細胞クローン牛は、成長した牛の細胞の核を、核を取り除いた未受精卵に移植して、代理母となる牛の子宮の中で育て出産させる方法です。96年に誕生したクローン羊「ドリー」と同じ原理で、元の牛の遺伝情報をそっくり引き継ぐため、高品質の牛の量産が可能です。既にわが国でも40研究機関で300頭以上が誕生していることが知られています。


●本当に大丈夫なのでしょうか?
 主な先進国では食品として流通を認めている所は現段階ではありません。研究班は平成11年から、国内産の体細胞クローン牛の成育状況や繁殖機能、内分泌機能のデーターを収集し、肉や乳の成分を分析しました。そして、「慎重な配慮が必要だが、食品としての安全性が損なわれるとは考えがたい」と発表しました。

 何というお役所的表現でしょう!この発表をうけて、凍結されていたクローン牛の出荷や流通が早々と動き出したと報じられています。確かに遺伝子の改変、操作をするのではなく、核移植によって遺伝的に同一のクローン家畜を作るのですから、一卵性の双子や三つ子を人工的に作る方法と同じで、現在の学問の論理としては、安全性に問題があるとは言えないかもしれません。
 しかし、牛に限らず農作物でも同じ遺伝子を持つ物を生産していると、その種に対して強い病原性を持つ疾病が流行した時には、作物は壊滅的な打撃を被ることになります。

 この遺伝的画一性の問題を含めて、アメリカ・カナダ・フランス・イギリスでは慎重に安全性の検討が続けられています。自然の摂理(生態系)に対する人間のチャレンジについては、いくら慎重に検討されたとしても慎重過ぎるという言葉は当てはまりません。人類にとって取り返しがつかないことも起きうるからです




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