高病原性鳥インフルエンザや新型肺炎SARSについて

 チャイナで発生したSARS(重症急性呼吸器症候群)が大問題となり、ハクビシンのコロナウイルスが遺伝子を変えながらヒトへ伝染する病原ウイルスを生んだことが明らかになりました。

 また、2003年12月18日79年ぶりに山口県阿東町の養鶏場で発生した鳥インフルエンザは、他地域に拡大し2004年2月17日大分県九重町の飼い鳥チャボに感染し、2月27日には京都丹波町の船井農場で鶏の大量死が起きました。そしてこの養鶏業者が食物生産者としての責任感に欠けた非常識な処理・対処を行ったため、鶏肉や鶏卵の流通分野にパニック状態をひき起こしたのです。

 鳥インフルエンザは、ウイルス感染によって引き起こされるもので、鶏、アヒル、七面鳥、うずら、カラス等が感染すると、産卵率の低下、とさかの腫れ、首曲がりや元気消失等の全身症状、呼吸困難や下痢・食欲減退などの消化器症状を呈し、集団飼育されている場所では大量の死亡現象をひき起こすことで怖れられています。

 今までにも香港(1977年・1997年)、アメリカ(1983年)、そして2003年にはオランダ、ドイツ、韓国、さらに今年(2004年)に入ってからはヒトへの感染で22名の死者を出したタイやベトナムから始まり、チャイナ、台湾、韓国等世界各地に広がっています。日本での発生は1925年以来のことでした。

 特に1997年香港でのH5型鳥インフルエンザでは、18名のヒトに感染し6名が死亡したと報告されています。しかし、SARSとちがってヒトからヒトへの感染はありませんでした。また、昨年オランダのH7型インフルエンザウイルス流行時には、防疫に従事したグループの中から、数十人が結膜炎やかぜ症状を起しました。飼育業者や防疫作業従事者、そして稀ですが鳥の内臓や排泄物に接触したヒトに感染例が報告されています。幸い鶏肉や鶏卵を食べて感染した例は、現在までのところありません。

 高病原性鳥インフルエンザとは、鳥に対して特に病原性が高いインフルエンザの呼び方であり、ヒトに対する病原性からそういわれたものではありません。
 しかしSARSの例からも理解できるように、養鶏と養豚を同じ農場で行っていたり、鳥の病原性ウイルスが感染拡大を持続するうちに、遺伝子変換によってヒトへの病原性を獲得する怖れがあるということを忘れてはいけません。(新興感染症)



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