過活動膀胱(OAB)とは

1.
トイレが近い(一日に8回以上)、水を触ったりすると急に尿意をもよおす(尿意切迫感)、場合によっては間に合わず漏れてしまう(切迫性尿失禁)といった症状です。仕事に支障をきたしたり、外出や旅行ができなくなるなど日常生活を非常に不便にします。
2.
日本での調査によると、40歳以上の男女の8人に1人にみられ、その割合は年齢ともに増加し70歳代では3人に1人がOABだと言われています。
そして、そのうちの半数で尿漏れがあると言われています。
3.
膀胱に尿を貯め、尿を出すという働きは、膀胱の排尿筋と尿道の括約筋の協調作用です。この機能は、膀胱周囲の交感神経(尿を貯める)、副交感神経(尿を出す)、体性神経(尿道括約筋を閉める)さらには脊髄・大脳皮質といった神経がコントロールしています。
4.
OABの原因はまだ充分にはわかっていませんが、膀胱の尿を貯め(畜尿)、尿を出す(排尿)という働きのうち、尿を貯める働きの調節が不安定になった状態だと考えられています。
5.
同様の症状は膀胱癌、膀胱結石、間質性膀胱炎あるいは前立腺肥大症といった疾患でもみられますし、高齢者では尿を出す働きも同時に悪くなっていることも多いので、泌尿器科を受診しこれらの疾患がないかを診断する必要があります。
6.
受診の際には、排尿の記録(時間、尿漏れや痛みの有無できれば尿の量)をつけて行くと非常に参考になります。
7.
OABと診断されれば、副交感神経の働きを押さえる抗コリン剤といわれる内服薬が有効です。しかし、口内乾燥や便秘といった副作用が生じたり、一部の緑内障の患者さんや残尿が多い場合には服用できないこともあります。このような患者さんには、交感神経の作用を高めることによって尿を貯めるようにする新しい薬が有効で、今後治療薬の選択肢がさらに増えてくるでしょう。
8.
尿意をもよおしても少し我慢したり(膀胱訓練)、肛門を5秒ほどしめる骨盤底筋体操も効果があります。5~10回を一日に3~4回繰り返して下さい。
9.
薬だけに頼るのではなく、水分摂取の量や種類や時間を見直したり、唐辛子やアルコールなどの刺激物、柑橘類をひかえることも大切です。
10.
家族にも言いにくいこともありますから、気軽に泌尿器科を受診してご相談下さい。

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