健康と社会

食道異物症について

1.
 食道異物症とは、誤って飲み込んだ異物が咽頭(いんとう)や食道にとどまって、組織にはまり込んでしまうことによって起こります。
この状態を嵌頓(かんとん)と言います。
2.
 異物の種類としては、子供の場合は硬貨やおもちゃ、ボタン型電池などが多く、大人の場合は、義歯(ぎし)や魚の骨、薬をPTP包装されたまま飲み込んでしまうことなどが多く見受けられます。
3.
 食道の内腔が狭くなっている方の場合に、食べ物のかたまりが狭くなった食道の入口につかえてしまう場合もあります。
4.
 異物を飲み込んで食道につかえると、食べ物が飲み込めない、吐く、胸が痛い、血を吐くなどの症状が出ます。
5.
 子供の場合は、吐いたり、唾液が多いことが多く、乳児の場合には、哺乳のたびに泣くといったことも考えられます。
6.
 異物が食道壁を破ってしまった場合は、発熱、胸痛、腹痛さらには呼吸困難などの症状が出て重症化します。
7.
 子供が、誤ってボタン型電池を飲んで4~8時間くらいたつと、食道組織が破壊され、食道潰瘍から食道に穴が開く穿孔(せんこう)を起こします。
 置いてあったはずのボタン型電池がなくなっていて、子供の様子がおかしいなど、疑わしい場合は、一刻も早く内視鏡検査が可能な医療機関へ行くことが非常に重要です。
8.
 硬貨、ボタン型電池、入れ歯などは、胸部・腹部X線検査でその存在が分かります。
9.
 X線検査では写らない、薬のPTP包装、食物、おもちゃ、小さい針などは、ガストログラフィンと呼ばれる水溶性造影剤を使用して、食道の造影を行うこともありますが、小さい針などは見逃してしまうこともあるため、治療も兼ねて、内視鏡検査を行うべきです。
10.
 子供の場合は、咽頭麻酔に加えて催眠鎮静薬で意識を低下させて内視鏡検査を行います。
11.
 異物が食道にとどまっていた場合は、小さいものであれば、鉗子(かんし)でつまんで除去できますが、角がとがった薬のPTP包装などの場合は内視鏡の先端に透明キャップといった特殊な装置をつけて除去します。
12.
 食道穿孔の可能性がある場合や、内視鏡的には摘出ができない義歯などの場合は、全身麻酔を行って、外科的に食道を切開して異物を摘出します。
13.
 大人では、異物を飲み込んだ自覚があったり、あるいは、食物がつかえる、飲み込むと痛いなどの症状がある場合に、子供では、食べると吐く、つばを飲み込まない、何となくおかしいなどの症状の場合には、医療機関で、胸部X線検査、内視鏡検査などを行う必要があります。
14.

 時間とともに重症となるボタン型電池や先のとがった物などは、子供のそばや手の届くところに置かないよう気をつけることが大切です。


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